改善・向上事例
- 定着支援
定着率向上をテーマとしたQCサークル活動にて早期退職率を7pt改善! 派遣スタッフからのアンケートを基にした改善事例
ご発注元プロフィール
業界・業種 | 農業関連機械の開発・製造・販売 |
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従業員数 | 約1,200名 |
課題・ニーズ
お客様から寄せられた主な課題は、「新規入職者の早期退職率の高さ」。
教育工数や生産計画への影響を踏まえ、現場では「採用だけでなく、定着まで支援してほしい」というニーズが高まっていました。
背景には以下のような課題が複合的に存在していました。
- 工場見学での説明に個人差があり、入社後の業務内容とのギャップが発生
- 配属工程が直前まで不明で、求職者の不安感を解消しきれていない
- 腰痛・精神的プレッシャー等に起因する体調不良による離職が目立つ
こうした課題に対して、フジアルテでは「派遣スタッフ自身が主体的に課題を見つけ、改善する場」としてQCサークル活動(※)を当現場に導入。
テーマを「早期退職率の低減」に定め、現場で働く派遣スタッフが自ら課題を捉え、改善に取り組む“自走型の現場改善活動”として活動がスタートしました。
※QCサークル活動:職場の現場メンバーが主体となり、小集団で品質や業務改善に取り組む活動です。課題の発見から解決までを現場主導で行うことで、組織全体の生産性や働きやすさの向上を目指します(QCサークル実績ページへ)。
ご提案
Step1:現状把握と課題の見える化
QC七つ道具の「パレート図」による分析では、体調不良や業務適性不足を含む健康起因の退職が全体の34%を占めていることが明らかに。
さらに「特性要因図」で原因を深掘りした結果、以下3点が主要因として抽出されました。
Step2:対策の立案と選定
QCサークル活動では、対策案を出すだけでなく、「緊急度」「実現性」「効果」など6軸で多角的に評価し、現場でも実行可能かつ効果的な施策を厳選。
その結果、以下の対策を重点的に実施しました。
① 工場見学プログラムの標準化
- 所員ごとの説明ばらつきを防ぐため、共通の見学プログラムを策定
- 既存スタッフへのヒアリング結果も反映し、「現場のリアル」を伝える工夫を実施
② 腰痛予防教育の強化
- 配属前の研修センターにて、腰痛予防プログラムを新設
- 始業前のストレッチ、負担の少ない持ち方、セルフケアなどを徹底指導
③ 作業面フォローの取り組み
- 作業面での不安を軽減するため、既存スタッフから作業の工夫や注意点をヒアリングし、配属前の面談などを通じて新規スタッフに共有。
- 立哨や日常の声かけを活用し、悩みやつまずきを早期に察知できるよう意識して対応。
解決・効果
2023年度の早期退職率は17%でしたが、2024年度には13.9%へと改善し、3.1ポイントの改善を達成。
特に、2025年2月〜3月には早期退職率が10%にまで低下し、大幅な改善が見られました。
また定着率の向上は、採用にかかるムダの削減にもつながり、年間で約40万円相当のコスト改善効果が確認されました。
QCサークル活動がもたらした波及効果と成長
活動を通じて、派遣スタッフたちは“与えられた仕事をこなす”存在から、“自ら考え、職場の課題を改善していく主体”へと変化。
QCサークル活動に初めて挑戦するメンバーがほとんどでしたが、定着支援チーム(※)の伴走支援を受けながら、課題発見→原因分析→対策実行→効果検証→標準化のPDCAをやりきる経験を積みました。
現場からは以下のような声が上がっています。
- 「見学の説明が丁寧で、入社後のギャップが少なかった」
- 「研修センターの事前情報があったので、焦らず作業に取り組めた」
- 「このようなアンケートやフィードバックを今後も続けてほしい」
※定着支援チーム:派遣スタッフの職場定着を目的に、面談・教育・フォロー体制の整備を現場と連携して推進する専門チームです。現場密着型の支援を通じて、早期離職の抑制や定着率向上に貢献しています。
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