派遣コラム
3分でわかるグローバル人材活用のポイント
(2021.10.14配信記事のデータを更新しています)
少子高齢化に伴い日本人の人手不足が叫ばれる中、日本で働く外国人の数が年間22万人ペースで増えています。
どのくらいの規模かといえば、兵庫県宝塚市で22万人、三重県鈴鹿市でも20万人ぐらいの人口であり、おおよそ1年で1つの市、3年で1県分の働く外国人が増えています。
背景にはやはり少子高齢化などの労働力不足が挙げられるでしょう。
新たな選択肢としてますますグローバル人材の雇用が注目される中、どのようなポイントに気を付けなければならないのかご不安になる企業ご担当者様も多くいらっしゃいます。
そのような方々の参考になるよう、ここではグローバル人材活用のポイントをまとめてご紹介をさせて頂きます。
在留資格について
グローバル人材を活用する上で、まず重要になるのが「在留資格」です。
在留資格とは簡単にいえば外国人が日本に住むための資格です。
在留資格を持っている方は、法務省の出入国在留管理局というところで発行される在留カードを持っています。
この出入国在留管理局は全国47都道府県すべてにあります。
在留資格の全体像
ところで、この在留資格は全部で何種類あると思いますか?
答えは、29種類あります(2024年6月28日時点)。
また、図のように、様々な在留資格があり それぞれ、職種の制限や労働時間の制限に違いがあり、注意が必要です。
こちらの一覧は法務省のホームページから確認することができます。
製造業でよく活用されるのは、「技術・人文知識・国際業務(長いので技・人・国(ギジンコク)と呼ばれたりします)」という在留資格のほか、「特定技能」や「技能実習」、「永住・定住」という在留資格が挙げられます。
ほかにも身分系ビザというものがありますが、これは日系ブラジル人や日本人と結婚している方のものになります。
在留資格の全体像については、こちらの資料でわかりやすくまとめていますので、
ご参考にしていただければ幸いです。
日本に住む外国人の5割が身分系ビザ!?
身分系ビザの外国人は日本で働くことに関しては、日本人と全く同じルールで働いていも問題はありません。
労働基準法や最低賃金を守っていただければ、働くための手続きなどは日本人と全く同じで大丈夫です。
日本には、おおよそ300万人の外国人が住んでいますが、その中で、身分系ビザの外国人はどのくらいいると思いますか?
意外と思われるかもしれませんが、実は約54%を身分系ビザの外国人が占めています。
そのため外国人雇用をする場合には、身分系ビザの方も検討いただくとよいかと思います。
就労ビザを語るうえで避けて通れない「企業カテゴリー」
また就労ビザを語るうえで避けて通れない概念に「企業カテゴリー」というものがあります。
簡単にいうと、企業規模によって就労ビザの審査の難易度、書類の数や種類が変わります。
大きい会社ほど許可率が高いという傾向にあるようです。
カテゴリ1は上場企業や公的に認証を受けている企業になります(フジアルテはこのカテゴリ1に属しています)。
カテゴリ2は目安として従業員が100人いる企業になります。
カテゴリ3が一般的な中小企業になります。
カテゴリ4が設立して間もない企業です。カテゴリ4の場合は、就労ビザの審査がとても難しく、細かくみられます。
注意したいのが、上場企業の子会社であっても、設立したばかりだとカテゴリ4になるため、別紙の説明書などで実質はカテゴリ1の企業になる旨を明示するとよいでしょう。
【24年6月追記】 技能実習制度が育成就労制度に変わる!?
最近の在留資格に関わるニュースで、「育成就労」という新設制度を目にされましたでしょうか?
>>「技能実習」が「育成就労」に 参院で可決 新制度のポイントは
かねてより技能実習生制度は、キャリアパスの不明瞭さ、労働者としての権利が守られていない、失踪問題などさまざな問題が国内外から指摘されており、国際的な基準に則った、より人道的で透明性の高い労働支援制度の必要性を痛感し、制度の全面的な見直しを迫られることになりました。
2022年12月から16回にわたり開催された有識者会議で議論が進められ、2023年11月30日に有識者会議の最終報告書が政府へ提出されました。
そして2024年2月に行われた「外国人材の受入れ・共生に関する関係閣僚会議」を経て、3月15日に技能実習に代わる新制度「育成就労」を新設する出入国管理法などの改正案を閣議決定し、6月14日の参議院本会議で成立しました。
外国人雇用を検討されている企業様やすでに外国人雇用をされている企業様は必見の制度改正になりますので、気になる方はこちらのリンクからご確認ください。
グローバル人材を雇用する際の注意点
ここまでご紹介した在留資格も含め、グローバル人材を雇用する際の注意点は3点です。
Point① 就労が認められていない者を雇入れないようにすること
不法就労の場合、就労者本人に強制退去などの処分が課せられるだけでなく、 雇用事業主にも罰則規定の適用(3年以下の懲役または200万円以下の罰金) があります。
Point② 言語問題の解消
雇用契約書や就業規則は最低でも英語のものを、英語を母国語としない国の方を多く雇用している場合は母国語のものを用意されるとよいでしょう。作業マニュアル等の翻訳も合わせて必要になります。
Point③ 文化や考え方の違い
国によって異なりますが、外国籍の方は自己の能力や適性について強く主張する傾向や、あいまいな指揮命令を嫌う傾向があります。また、不慣れな土地での生活に不安を抱く方もいます。
グローバル人材は就業意欲が高く勤勉ですが、異なった文化や習慣、仕事の仕方の違いなどから摩擦が生じ、労務トラブルに発展してしまう事もあるため、理解や社内の制度設計等の準備が肝心となります。
グローバル人材活用を成功させるポイント
ここからはグローバル人材活用を成功させるポイントについて、弊社の取組み事例を交えてご紹介いたします。
①在留資格の適切な管理
まず、在留資格の適切な管理です。
外国人材を採用する場合、応募から入社に至るまでの間、 旅券、在留カード等により、就労が認められる在留資格であることを確認し、 更新時にはビザ管理の専門部署が更新3ヶ月前に申請書類を整備し、更新手続きを行います。これらの手続きをフジアルテでは「ビザ申請取次制度 資格取得者(※)」が 行うほか、派遣スタッフ本人の休暇取得も不要で更新漏れの心配も御座いません。
※ビザ申請取次制度資格 ビザ申請取次(更新)を当社が代行できる資格
②ー1 言語問題の解消 ~ チーム派遣 ~
次に言語問題の解消です。
フジアルテでは、日本語能力試験N2以上に相当するリーダーを中心としたチーム派遣の提案を行っております。加えて、通訳者を含めたチームで配属するチーム派遣の提案も行っております。
日本語能力N2という基準は聞きなじみが無いかも知れませんが、 日常的な場面で使われる日本語の理解に加え、より幅広い場面で使われる日本語をある程度理解することができる状態になります。
派遣スタッフの言語面での不安を解消できます。
②ー2 言語問題の解消 ~ 作業標準書の作成・翻訳 ~
そのほか、言語問題の解消のために弊社が取り組んでいることとして、 お客様のご要望に応じて、作業標準書の作成ならびに翻訳があります。
請負現場における実績で培った作成ノウハウから、 翻訳担当者を配置し、作業標準書を翻訳。製造未経験のグローバル人材の早期の習熟をサポートします。
先程ご説明した「通訳付き派遣」では、日本語能力を有したリーダーを先行して配属し、 リーダーが作業を習熟後、作業標準書を作成し、他のグローバル人材スタッフの早期習熟を目的に翻訳致します。
③管理監督者への教育
グローバル人材を採用する場合には、スタッフ本人の採用も重要ですが、適切な管理監督者の配置も重要になって参ります。
当社では管理監督者を対象に図のようなカリキュラムに沿って、 段階的かつ体系的な教育訓練を実施しております。
安全・品質・生産・モラル・ルール・マナーの教育は各階層ごとに実施し、 特に「職長教育」では日系ブラジル人のトレーナーも配置しており、管理監督者全員が受講しております。全体での受講者約1,000名中、およそ600名がグローバル人材となっております。
また、併せて、QC検定や自主保全士検定、第1種衛生管理者といった資格取得の支援も積極的に行っております。
④文化の違いへの対応
文化の違いへの対応も重要です。職場だけでなく生活面でも、文化の違いから多くの不安を抱えるグローバル人材をいかにサポートをするかが彼らの活躍の鍵となります。
フジアルテでは病院や市役所に同行し、移動手段や土地勘のない従業員の送迎、そして現地での通訳も行います。
また、入社時には日本の文化や習慣を説明するオリエンテーションを開催しています。
特に、買い物場所や市役所などの生活インフラは実際に同行し案内しております。
併せて生活マップやハザードマップを作成し、配布を行うなど、職場から私生活でも幅広くサポートを行っています。
以上がグローバル人材活用を成功させるポイントのまとめでございました。
しかし、これらを実際に、お客様企業内で新たに行うとなれば、莫大な工数がかかってしまいます。
グローバル人材”派遣”を活用するメリット
いきなり自社でグローバル人材を雇用するのが難しい場合は、派遣会社を活用することをお勧めいたします。
グローバル人材を派遣で活用すると、繁閑による雇用調整も可能であり、煩わしい労務管理業務からも解放されます。
また、翻訳や言語面のサポートも派遣会社が行うため、不法就労助長罪等のコンプライアンスリスクも回避することができます。
まとめ
いかがでしたでしょうか? グローバル人材の活用は多くのメリットを与えてくれる一方で管理工数や職場・生活面の支援といった大きな負担が企業側に掛かります。
そのため、自社ですべて賄って運用するのではなく、まずは派遣サービスを活用して運用ノウハウを自社内に蓄積していく方向も有効かと思います。
当社も管理工数や職場・生活面のサポートなどの負担をカバーしながら安心・安全にグローバル人材を活用できるよう企業様のサポートをしています。お取引先様全体の30%以上が当社のグローバル人材の派遣サービスをご利用されており、グローバル人材活用において多くの信頼を寄せて頂いています。
グローバル人材活用についてのお困り事、ご相談、お問合せがございましたら営業担当者、もしくは当社ホームページのお問合せフォームにてお問い合わせください。
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