1. 外国人労働者が増加しており、わが社でも活用を検討しています。 外国人労働者を受け入れる際には何に気をつけるべきでしょうか。

労務管理Q&A

2024.06.17

外国人労働者が増加しており、わが社でも活用を検討しています。 外国人労働者を受け入れる際には何に気をつけるべきでしょうか。

ご質問内容

人手不足から、全国的に外国人労働者の活用が増えているようです。わが社でも外国人労働者の受入を検討しています。しかし、言葉や文化の違いもあることから、職場になじんでもらえるか心配です。外国人労働者に職場で力を発揮してもらうには、何に気をつけるべきでしょうか。

専門家からの回答

最も大切なことは、国内で就労できる在留資格を有しているかどうかの確認です。その上で、外国人労働者が職場になじみ、戦力となるためには「リアリティショックへの対応」「コミュニケーションの工夫」が欠かせません。厚生労働省は、6月を「外国人雇用啓発月間」に位置づけています。これを機に外国人の雇用について理解を深めるのもよいですね。

在留資格は必ず在留カード原本で確認を

外国人が日本国内に滞在して様々な活動を行うには、その活動内容に応じた在留資格が必要です。
どのような在留資格を有した人物であるかを示すために発行されているのが在留カードです

下記は出入国管理庁のホームページに掲載されている在留カードの見本です。
「就労不可」の表示がある場合、その人物を雇用することはできません。

ただし、裏面に、条件付で就労を認める旨の出入国管理庁の許可があれば、その条件の範囲内で雇用することが可能になります(留学生など)。

在留カードはコピーではなく、必ず原本の提示をうけて、本人のものであることを確認してください。
またカードに有効期限が記載さているので、併せて確認して下さい。

職場全体で受け入れの準備

2020(平成2)年から2022(平成4)年にかけて、厚生労働省は「地域外国人受入れ・定着モデル事業」を実施し、その成果をふまえて「事業者向け受入れ・定着マニュアル~外国人と一緒に働くために~」を公表しています。

同マニュアルによれば、外国人が職場になじんで定着するためには、外国人を受け入れる部署のみではなく、事業所全体で「異文化への理解と心得」を深め、実際に受け入れを開始した後は「リアリティショックへの対応」「コミュニケーションの工夫」が大切であると指摘しています。

リアリティショックへの対応

リアリティショックとは、想像していたことと、現実とのギャップにショックを受けることをさします。

例えば、来日前の日本のイメージは、東京のような大都市か、京都や富士山のような有名な観光地、というパターンが多いのです。

このため、事業場や寮が郊外にある場合、「買い物をする場所が遠い」「退勤後の夜道が暗くて怖い」など想像と全く異なるため、ショックを受ける例があります。これを避けるためには、職場や社員寮の様子を映像資料として提供したり、可能であれば職場見学や、休日の買い物場所の案内などが有効です。なお、社員寮や職場の食堂等にwi-fiが設置されていると大変喜ばれます。

コミュニケーションの工夫

外国人にとって、挨拶程度のコミュニケーションはできても、複雑な機械の操作に関する説明などは理解に時間がかかります。また、「ぎゅっと握る」「しっかり持つ」などの擬態語は感覚として再現するのが難しく、ほとんど伝わっていないことも多く見られます。

このため、説明する日本人の従業員側でも「この動作はどのように表現すると理解されるか」「安全に対する感度をあげるには、どう伝えたら」などの研究が必要です。

作業マニュアルは、外国人の母国語と日本語の併記であるとともに、写真やイラストを用いて動作が正しく理解できるような工夫が必要です。安全のための標識(転落注意、高熱注意などの標識)は、ピクトグラムを用いることが推奨されています。

外国人を派遣労働者で受け入れる

フジアルテでは、外国人労働者を雇用し、構内請負事業場で就労を促進したり、派遣労働者としてお客様の職場への派遣就労も実施しています。

在留資格を確認するにとどまらず、日本語や日本の文化に対する教育も実施しており、外国人労働者の日常生活の困り事にも相談対応できる社員を配置しています。

外国人労働者の受け入れを検討しているお客様は、ぜひ一度、フジアルテの営業担当にご相談ください。

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