派遣コラム
【派遣社員の募集方法】人材派遣で失敗しないために派遣会社に伝えるべき4つのポイント

企業側が派遣社員を依頼する際に必要な3つの要素(必要な時、必要な量、必要な人材)を活用する需給調整システム、いわゆる「派遣サービス」にはどういうメリットがあるのか、実際に依頼をする時、どういう流れになっているのかをまとめました。
企業(人材を依頼する側)の場合、一番のメリットはやはり必要な需要期間に人材を確保することがまずあげられます。その時の募集方法、依頼の流れと伝えるべき基本的な内容を紹介します。
そもそも、派遣社員とは何ですか?
派遣社員は、人材派遣会社と雇用契約を締結し、就業先(派遣先企業)で就業する(派遣される)社員を指します。業務そのものは派遣先企業で指示や命令を受けて仕事をしてもらいますが、雇用関係(給与や福利厚生など)は人材派遣会社が責任を負うので、就業先の社員ではありません。
両社(派遣会社と派遣先企業)の間で派遣契約が存在し、派遣料金も発生します。その派遣料金から人材派遣会社が派遣社員の雇用にかかわる費用・コストを支払う仕組みとなっております。
一般的な派遣社員募集のフロー
派遣社員は、派遣社員を受け入れる企業側にとっては非正規労働者という形態になりますが、アルバイトなどの募集方法、採用プロセスと全く違うものになります。派遣社員募集の流れについては大きく3ステップに分かれています。ヒヤリング、紹介、そして受入れ開始となります。
ヒヤリング
まずヒヤリングの一歩前に、安心・信頼できる人材派遣会社をしっかり探して、依頼することです。近年の政府の様々な取締りにより、減少しているものの、まだまだ悪質な派遣会社は残念ながら存在しています。派遣会社を選ぶ際に、実際の依頼内容に適しているかどうかはもちろんですが、派遣会社の実績、ノウハウなどの確認も大切です。
例えば、日本国内のものづくりを支える製造業では、一般事務派遣の派遣会社に依頼をしても得意分野ではないため、失敗するリスクが高まります。そもそも、派遣会社自体がお断りされることもあります。
このケースですと、製造業に特化した強い派遣会社を探すのがおススメです。その中からどの派遣会社が企業にとって一番合っているのかは企業側の人事担当者の大きな判断になります。
情報収集、ご提案などを受ける際に企業側が求めている人材像をしっかり描いて、派遣会社の担当者とのヒヤリングに入る前に準備して頂くと、派遣会社からよりご要望に近い具体的な提案も受けられます。
ヒヤリングにしっかり対応していただくことで、以降2つのステップがよりスムーズ、適切に行われます。
この記事の最後に派遣会社に伝える内容をまとめましたので、そちらも確認してください。
ご要望のマッチングと人材のご紹介
人材のご紹介方法については雇用形態と派遣会社により少し異なる部分はありますが、基本的に派遣会社が企業側とのヒアリング内容をベースに、どの人材が企業にマッチングするのかを探します。アプローチは様々です。
派遣会社の登録スタッフを紹介するのか、新たに求人媒体を活用し募集をかけるのかなどについては派遣会社の運営次第です。そして、それらの方法からマッチングされた人材を企業に紹介します。ここで企業側に注意しなければならないポイントは履歴書の提示や企業と求職者との面接の要求です。これらの行為は法律上(労働者派遣法)禁止されています。
労働派遣法のに関する疑問について専門家が解説しておりますので、こちらも確認ください。
派遣される人材の決定は人材派遣会社の役割であり、責任になります。ただ、多くの場合、人材派遣会社の担当者と派遣を予定されている社員の職場見学や顔合わせ程度は実際就業する派遣社員の不安を解消する有効な手段なので、実施することをお勧めします。
派遣契約の締結と派遣社員の受入れ開始
いよいよ派遣活用のスタートとなります。企業側で就業する派遣社員が決まったら、派遣先企業と派遣会社の間で契約の手続きを行います。派遣会社側が派遣先から得られた情報を元に、就業条件や業務内容などを就業予定の派遣社員に対して事前説明を行います。また、派遣先の企業では派遣社員の受け入れのための準備も必要です。
派遣先企業と派遣会社、双方がコミュニケーションを取りながら進めていきますと、よりスムーズに派遣社員の受け入れができます。派遣社員が安心して働ける環境、職場づくりは派遣先企業、派遣会社のどちらかだけでは実現が不可能です。働く一人の仲間として気持ちよく対応しましょう。
★人材派遣サービスをご利用される際に役立つ資料「人材派遣を依頼するときの注意事項6選」はこちらでダウンロードいただけます。ぜひご活用ください。
★フジアルテの製造派遣についてはこちらをご覧ください。
★派遣社員受け入れにあたってや現場における労務について「労務管理Q&A」にて詳しく解説しています。
派遣労働者の入社前の適性検査は禁止?特定目的行為に抵触せずに適性のある派遣労働者を受け入れる方法
ここだけ必ずおさえて頂きたい!派遣会社に伝えるべき内容
当たり前かもしれませんが、これから紹介する内容をきちんと伝えないとミスマッチや早期退職に繋がってしまいます。そうすることで、派遣会社側も企業側のニーズにマッチする人材の募集、選定をより適切に行えるので、しっかり覚えておいてください。
就業条件
まず1点目は今後派遣される社員にかかわる内容です。それは就業条件。就業条件には勤務時間、時間外(残業)の有無、就業先(どこで仕事されるのか)などが含まれます。企業側がこの情報を社内でしっかり確認し、人材派遣会社に伝えることで、派遣会社の登録スタッフがその内容を理解することができ、マッチングの精度が向上します。
派遣社員の業務内容
つづいて2点目は、派遣社員が実際に派遣先でどのような仕事、業務をしてもらうのかのポイントです。企業側が業務内容をできるだけ細かく派遣会社に伝えることで、派遣業務開始後に起こりうる業務内容の相違による早期退職を防ぐことができます。
必要なスキル・資格
3点目はスキル面になります。業務に必要な人材像を描いた時、特別な資格やスキルが必要かどうかの事前確認を行い人材派遣会社へお伝えください。高スキル人材であればあるほど、対象人材の紹介が少なくなってしまいますので、業務内容を整理して、MUSTとWANT項目を明確にしましょう。数多くの人材紹介もしくは短期間での派遣業務開始を希望される場合はヒヤリング時に許容範囲をできる限り広くすることで、人材の紹介も高まります。
福利厚生・職場環境
そして、派遣会社に伝えるべき4点目は福利厚生や職場環境です。近年、働き方改革やワークライフバランスという言葉をよく耳にしますが、派遣社員もこの内容に対して重視している方が多くいます。
食堂・ロッカーの利用、制服関係、インナーイベント・交流会の有無などを洗い出し、人材派遣会社に伝えてください。働きやすい環境、福利厚生の充実さで派遣社員の定着にも繋がりますし、派遣社員が働きたいという気持ちも高まります。
まとめ
派遣社員を募集するときの内容を紹介しました。企業側と人材派遣会社の間でしっかりとした情報交換・提供により、派遣先のご要望に応える人材の紹介が可能になり、人材派遣会社も人選のプロセスがよりスムーズになります。
また、人材派遣会社の選定も慎重に行うことで、将来の継続的なパートナーシップに繋がりますし、派遣社員のミスマッチも防げます。適正な人材を受け入れる準備として、事前に就業条件、業務内容、求められる人材像と職場環境、福利厚生の内容を整理し、人材派遣会社と共有してください。
派遣社員を受け入れる際に注意すべきポイントについては
「派遣社員受入でおさえておきたいポイント ~受入前から受入1か月~」のコラムをご覧ください。
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