1. 派遣社員に仕事を割り振る際に知っておきたい3つのポイント

派遣コラム

2023.06.30

派遣社員に仕事を割り振る際に知っておきたい3つのポイント

派遣社員を雇うにあたり、どのような仕事を割り振れば良いのでしょうか。

・契約社員との違いについて知りたい。
・派遣社員にやらせてはいけない業務を知りたい。
・派遣社員との関わり方や扱い方について知りたい。

という方に向けて、
派遣社員に仕事を割り振る際のポイントを3つ紹介します。

派遣社員契約社員の違いについて

まず、派遣社員と契約社員の違いについてご存知でしょうか。
雇用形態は、派遣社員やアルバイト、正社員など様々ですよね。
派遣社員と契約社員の違いについてわかっていないと割り振れる仕事が理解できないでしょう。

派遣社員と契約社員の大きな違いは、就業先と直接的な雇用関係にあるかどうかです。
派遣社員は派遣先の企業との間に派遣会社があるので契約社員とは雇用形態が異なります。
例えば、以前だと、派遣社員には交通費の支給がされない場合がありました。

続いて、派遣社員と契約社員それぞれのメリット、デメリットを紹介します。
双方を比較して違いをはっきり理解していただけると幸いです。

契約社員のメリット

契約社員のメリットとしては、業務の裁量が派遣社員と比較して大きいことが挙げられるでしょう。
契約内容や配属される部署によっても様々ですが、基本的には契約社員は派遣社員よりも重要な業務を扱えます。
したがって、何かスキルを身につけたい場合やキャリアアップを狙いたい場合にはおすすめです。

また、重要度が高い業務をこなせることから正規雇用される可能性も高いのが特徴です。
派遣社員からも正規社員になれますが、やはり契約社員からのルートの方がチャンスがあるでしょう。

派遣先の企業から考えても、契約社員には大きな裁量を渡せるので任せられる業務の幅が広がるのはメリットですよね。

契約社員のデメリット

契約社員のデメリットは、契約満了後は1から職探しをすることになる可能性があることです。
会社は30日前に契約満了を通知することが義務付けられていますが、30日という期間は仕事を探すには短いですよね。
契約が更新されると思っていたのに更新されず職探しに奔走する事態に陥ってしまった方は少なくありません。
そうなると、まだ後1ヶ月ほど残っている職務に支障をきたすケースもあるでしょう。
派遣先の企業からしてもこれは不安材料ですよね。

派遣社員のメリット

派遣社員のメリットには、派遣解約終了後も派遣会社が次の会社を紹介してくれるというものがあります。
前述した通り、契約社員だと自分で次の仕事を探す必要がありますが派遣社員にはその必要がありません。
派遣会社が自分にあった次の職場を探してくれるので派遣社員は安心して働けるでしょう。

また、時給や待遇に関して派遣会社が交渉してくれるというメリットもあります。
会社単位で交渉することになるので、派遣先の企業も交渉に応じやすいでしょう。

派遣社員のデメリット

一方派遣社員のデメリットには、安定した雇用が望めないというものがあります。
これは社員側からも企業側からも言えることでしょう。
派遣社員側から考えると、派遣先企業からの人員整理というリスクがついてまわります。
また、企業からみると派遣社員がすぐに辞めてしまうリスクもありますよね。
そのため、企業と社員の信頼関係が大切になるでしょう。

派遣社員にさせてはいけない業務とは?

続いて、派遣社員にさせてはいけない業務を紹介します。
中には、派遣社員に任せてしまうと罰金を取られるものもあるのでよく確認しておいてください。

そもそも、労働者派遣法によって以下の業務は派遣社員が行えません。

・港湾運送業務
・建設業務
・警備業務
・医療関係業務
・弁護士、医師、公認会計士などの「士」の業務

上記を見ると専門性が高い業務や危険が伴う業務は禁止されていることが分かりますね。

また、契約範囲外の仕事も割り振らないように注意が必要です。
中には、契約を確認して派遣社員を採用する方と、現場で指揮をとり仕事を割り振る方が異なる会社もあるでしょう。
その場合、契約範囲外の仕事を意図せず割り振ってしまう可能性がありますよね。
契約範囲外の仕事を割り振る際には、契約内容を更新する必要があります。
また、契約内容の確認は社内で共有しておくことをおすすめします。

加えて、残業や出張にも注意が必要でしょう。
当然ですが、派遣社員でも残業した分の残業代はきちんと支払う必要があります。
しかし、契約内容によっては残業が許されていない場合があります。
派遣社員にも出張させられますが、これも事前の契約内容によって様々です。
出張となる場合もそのための交通費の精算や諸々の手当など管理しておくべきポイントは尽きません。

さらに、二重派遣や偽装請負も行ってはいけません。
派遣会社から受け入れたスタッフを別の会社に派遣させると二重派遣となり雇用の安定性が失われることから罰せられる可能性があります。

★製造派遣社員にさせてはいけない業務とは?~二重派遣・偽装請負について詳しく解説~

派遣社員に仕事を割り振る3つのポイント

続いて、派遣社員をうまく活用するためのポイントを紹介します。
当社でも、派遣社員との関わり方や扱い方についてご相談を受けることは少なくありません。
初めて派遣社員を雇う時や、派遣社員とうまく関係が構築できないという場合は参考にしてみてください。

↓こちらもあわせてご覧ください↓

派遣社員活用マニュアル

正規雇用の社員との間に壁を作らない

正規雇用の社員との間に壁を作らないことは重要なポイントです。

派遣社員だからといって少しでも雑に扱うようなことがあれば信頼関係は生まれないでしょう。

例えば、派遣社員のことを「派遣さん」と呼ぶのは避けましょう。
誰しも大切な名前がありますよね。
それを無視して呼ばれると気持ちの良いものではありません。
派遣社員は期限が決まっているとはいえ企業を支えてくれる大切な存在ですよね。
雇用形態にかかわらず、丁寧な対応を心がけ信頼関係を築いていきましょう。

また、コミュニケーションの場を積極的に設けることを意識してみても良いでしょう。
派遣先の中には正社員と派遣社員のコミュニケーションが全くない企業もあります。
そうなると何かトラブルが起きた際の把握が遅れてしまうでしょう。
会話がない職場は働きにくいと感じる方も多いですよね。
日頃からコミュニケーションをとることを意識しておき、お互いが気持ちよく仕事できる環境を整えておくことをおすすめします。

新しいコミュニティに入ったばかりの派遣社員は緊張していることがほとんどです。
できるだけ正社員側から話しかけるように意識しておくと良いでしょう。

契約期間が長い場合は勉強会の期間を設ける

契約期間が長い場合は単純作業だけでなく高度な仕事も任せられるようになる可能性が高いです。
そのため、正社員と同じスキルを身につけてもらうのも1つの手だと言えるでしょう。
「派遣社員を教育しても意味がない。」と決めつけるのではなく、派遣社員も活躍できる場面を増やしていくと会社にとってもプラスになりますし、
派遣社員のモチベーションも上がるでしょう。

事前に仕事の範囲を明らかにしておく

上述したように派遣社員に契約内容以上の業務を割り振ってしまうとトラブルに発展してしまいます。
また、派遣社員側から考えても内容が不明瞭なまま効率よく仕事をこなすのは難しいでしょう。
派遣社員にはどの程度の仕事をどの分量割り振ることにしているのかを社内全体で共有しておくことをおすすめします。
そうすることで、その人の力量に見合ったタスクを上司が的確に割り振れるようになるでしょう。

★派遣社員受け入れにあたってや現場における労務について「労務管理Q&A」で詳しく解説しています。

派遣労働者を製造現場に配置する際に必要な教育訓練は誰が行うのか

まとめ

今回は、派遣社員に仕事を割り振る際のポイントを解説しました。
本記事を通して、派遣社員と契約社員の違いや派遣社員に割り振ってはいけない仕事、派遣社員が働きやすくするためのコツを理解していただけたかと思います。
うまく派遣社員を活用するために本記事を参考にしていただけると幸いです。

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