1. 改正労働者派遣における裁判外紛争解決手続(行政ADR)について

労務管理Q&A

2020.04.01

改正労働者派遣における裁判外紛争解決手続(行政ADR)について

ご質問内容

2020年4月施行の改正労働者派遣法における裁判外紛争解決手続についての質問です。

裁判外紛争解決手続について、改正労働者派遣法の内容が含まれることになったと聞きました。

派遣労働者と派遣会社がトラブルとなった場合、こちらの制度を派遣労働者が活用することが想定されますが、この制度は、派遣労働者と派遣先がトラブルになった場合も対象となるのでしょうか?

専門家からの回答

ご指摘のように、本年4月施行の改正労働者派遣法においては、派遣先の通常の労働者との間の均等・均衡待遇の確保の措置など一定の事項に関して、派遣会社は派遣労働者からの苦情の申出を受けたときなどには、

  • その自主的な解決を図るように努めなければならないこと(労働者派遣法第47条の4第1項)
  • 都道府県労働局長がこれらの事項について必要な助言、指導または勧告を行うことがあること(同法第47条の6第2項)
  • これらの事項について関係者からの申請があり、都道府県労働局長が必要と判断したときは、都道府県労働局に設置された紛争調整委員会が調停を行うことがあること(同法第47条の7第1項)

などを定めた、裁判外紛争解決手続が整備されています。

そして、この裁判外紛争解決手続の対象は、派遣会社と派遣労働者との間の紛争に限られるのではなく、派遣先と派遣労働者との間の①業務の遂行に必要な能力を付与するための教育訓練の実施、ならびに②給食施設、休憩室および更衣室の利用の機会の付与に関する紛争についても、その対象となっています(同法第47条の4第3項)

このため、上記の①および②の紛争に関しては、ご指摘の裁判外紛争解決手続を活用することは可能です。

監修:木村 大樹 氏(国際産業労働調査研究センター代表)

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