1. 技能実習生の受入における同一労働同一賃金ついて

労務管理Q&A

技能実習生の受入における同一労働同一賃金ついて

ご質問内容

2020年4月より開始される「同一労働同一賃金」についての質問です。
当社は製造業を営んでおり、昨年より技能実習生の受け入れを始めました。
受け入れた技能実習生にも2020年4月より「同一労働同一賃金」は適用されるのでしょうか?
また適用外の方法があるのであれば、どのような方法があるのでしょうか?

専門家からの回答

技能実習生については、2010年7月に施行された改正「出入国管理及び難民認定法」において新たな在留資格「技能実習」が創設され、入国直後の座学による講習期間修了後については1年目から雇用関係の下労働関係法令が適用されています。

さらに、2017年4月に施行された「外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律」に基づき定められた「技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する基本方針(法務省・厚生労働省告示)」においては、「技能実習生に支払う報酬については、日本人が従事する場合に支払われる報酬と同等額以上の報酬を支払う必要がある」ことが明記されています。

このことは、技能実習の在留資格の取得ための技能実習実施機関に係る要件の1つとして明記されています。

つまり、2020年4月に施行される「同一労働同一賃金」に関する法改正が適用されるか否かにかかわらず、既に技能実習実施機関には「技能実習生に支払う報酬については、日本人が従事する場合に支払われる報酬と同等額以上の報酬を支払う」義務があるのです。

2020年4月に施行される「同一労働同一賃金」に関する法改正は、技能実習生を直接の対象とした法改正ではなく、短時間(パートタイム)労働者や有期雇用労働者、派遣労働者の待遇について、正規労働者(通常の労働者)の待遇と比較して均等・均衡がとれるようにすることを目的としています。

技能実習生の場合には、在留期間に制限がありますので、必ず有期雇用労働者として雇用されることになりますが、上記のように技能実習生には労働関係法令が適用されますので、少なくとも有期雇用労働者の待遇について正規労働者の待遇との均等・均衡を定めたパートタイム・有期雇用労働法は適用されることになります。

「同一労働同一賃金」に関する規定が適用外とされる方法はないかとのお尋ねですが、上記のように技能実習生には労働関係法令が適用される以上、そのような方法はないとお考え頂いた方が良いと考えます。

監修:木村 大樹 氏(国際産業労働調査研究センター代表)

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