1. 労使協定方式における派遣労働者への教育訓練や福利厚生施設等に関する、派遣会社への情報提供について

労務管理Q&A

2020.07.30

労使協定方式における派遣労働者への教育訓練や福利厚生施設等に関する、派遣会社への情報提供について

ご質問内容

2020年4月施行の改正労働者派遣法についての質問です。

当社では派遣労働者を受け入れており、派遣会社からは「労使協定方式」を選択する旨の連絡がありました。
「労使協定方式」の場合でも、福利厚生施設や教育訓練等について、派遣会社へ情報提供が必要であると認識しています。

この情報提供は、一度派遣会社に送れば、今後提供する必要はないのでしょうか?

専門家からの回答

労働者派遣の役務の提供を受けようとする場合には、派遣先は、労働者派遣契約を締結するに当たり、あらかじめ派遣会社に対し、派遣労働者が従事する業務ごとに、比較対象労働者の賃金その他の待遇等に関する情報を提供しなければなりません(労働者派遣法第26条第7項)。

派遣先からその情報提供がないときは、派遣会社は、その派遣先とは労働者派遣契約を締結してはなりません(同条第9項)。

この情報提供を行うべき事項は、派遣労働者を労使協定方式の対象派遣労働者に限定する場合と、このような限定をしない場合とで異なっており、労使協定方式の対象派遣労働者に限定する場合には、

  1. 派遣先が派遣労働者と同種の業務に従事する、派遣先に雇用される労働者に対して行う業務の遂行に必要な能力を付与するための教育訓練
  2. 派遣先が派遣先に雇用される労働者に対して利用の機会を与える給食施設、休憩室及び更衣室

に関する情報を、提供しなければならないこととされています。

派遣先は、これらの情報に変更があったときは、派遣会社に対し遅滞なく、変更の内容に関する情報を提供しなければなりません(同条第10項)。

そのため、労使協定方式の対象派遣労働者に限定する場合であったとしても、派遣先としては上記1.の教育訓練や2.の福利厚生施設に変更があったときは、遅滞なく派遣会社に対しその変更の内容に関する情報を提供しなければならないことになります。

派遣先によっては、あるいは、1.の教育訓練や2.の福利厚生施設に変更があることはほとんどないというところもあるかもしれません。

しかし、一度派遣会社に情報提供すれば、それ以後提供の必要はないということではなく、1.の教育訓練や2.の福利厚生施設に変更があれば、変更した内容について情報提供が必要であることを認識した上でご対応頂きたいと思います。

監修:木村 大樹 氏(国際産業労働調査研究センター代表)

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