1. 製造業では有期雇用と無期雇用の派遣労働者はどちらが多いのか。 待遇の決定は派遣先均等・均衡方式と派遣元労使協定方式のどちらが多いのか。

労務管理Q&A

製造業では有期雇用と無期雇用の派遣労働者はどちらが多いのか。 待遇の決定は派遣先均等・均衡方式と派遣元労使協定方式のどちらが多いのか。

ご質問内容

当社は物の製造の業務に派遣労働者を受け入れていますが、無期雇用の派遣労働者が増えてきました。有期雇用と無期雇用の派遣労働者はどちらが多いのでしょうか。
また、派遣労働者の待遇を派遣元労使協定方式で決定している派遣会社の割合はどれくらいでしょうか。

専門家からの回答

派遣元事業主は、毎年6月1日~6月30日の期間に、過事業年度における労働者派遣事業の実績を厚生労働大臣に報告する義務があります。このほど、令和2年度の労働者派遣事業報告がとりまとめられ発表されました。
製造業務に従事した派遣労働者は約36万人で、うち約38%が無期雇用、約95%が派遣元労使協定方式により待遇を決定しています。

有期・無期雇用別 全派遣労働者の数(人)

人数
(全派遣労働者に占める割合)
うち労使協定対象派遣労働者数
(各雇用区分に占める協定対象派遣労働者の割合)
無期雇用 676,861 (約40.1%) 643,386 (約95.1%)
有期雇用 1,009,836 (約59.9%) 936,822 (約92.8%)
合 計 1,686,697 (100%) 1,580,708 (約93.7%)

製造業務に従事する有期・無期雇用別 派遣労働者の数(人)

製造業に従事する人数
(製造業に従事する派遣労働者に占める割合)
うち労使協定対象派遣労働者
(各雇用区分に占める協定対象派遣労働者の割合)
無期雇用 137,334 (約38.0%) 131,681 (約95.9%)
有期雇用 223,789 (約62.0%) 211,987 (約94.7%)
合 計 361,123 (100%) 343,668 (約95.2%)

資料出所:令和4年3月31日厚生労働省発表「労働者派遣事業の令和3年6月1日現在の状況(速報)」

ブロック別、有期・無期雇用別の派遣労働者数/東海で無期雇用が多い

派遣元事業主の事業年度末日が令和2年4月1日~令和3年3月31日であった年度の実績についてとりまとめたものです。
ブロック別では、東海ブロックの無期雇用派遣労働者の割合が他ブロックに比べて髙いという特徴があります。
勤勉で有能な労働力を積極的に無期転換し、人手不足の製造業務への無期派遣労働者の受け入れがすすんでいるものと考えられます。

ブロック 合 計 有期雇用 無期雇用 派遣労働者に占める
無期雇用の割合(%)
北関東・甲信 126,575 77,572 49,003 約38.7
南関東 798,482 501,478 297,004 約37.2
東 海 269,923 158,307 111,616 約41.4
近 畿 308,536 199,461 109,045 約35.3

資料出所:令和4年3月31日厚生労働省発表「令和2年度労働者派遣事業報告の集計結果(速報)」
なお、ブロック区分は次のとおり
北関東・甲信(茨城県、栃木県、群馬県、山梨県、長野県)
南関東(埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県)
東海(岐阜県、静岡県、愛知県、三重県)
近畿(滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県)

労働者派遣契約期間は2~3か月単位の契約更新が多い

派遣元事業主と派遣先との労働者派遣(個別)契約の期間は、2か月~3か月単位が多くなっています。
なお、イベントスタッフなど1日単位の労働者派遣契約は、同じ派遣先におけるイベントでも、イベント開催日ごとに契約件数を計上するため件数が増加するしくみになっています

契約期間の長さ

1日以下 1日超
7日以下
7日超
1月以下
1月超
2月以下
2月超
3月以下
3月超
6月以下
6月超
1年以下

1年以上

割合(%)

28.2

3.2 8.9 20.5 26.5 9.3 2.6

0.9

資料出所:令和4年3月31日厚生労働省発表「令和2年度労働者派遣事業報告の集計結果(速報)」

全国的に派遣労働者に占める無期雇用労働者の割合が高まっており、製造業務でも3人に1人以上が無期雇用です。また、9割を超える派遣労働者が派遣元労使協定方式によって待遇が決定しています。
フジアルテ株式会社では、計画的な教育訓練により派遣労働者を育成しており、安定して派遣先の生産計画をサポートしてまいります。

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