1. 紹介予定派遣で受け入れている派遣労働者がいます。 適性を見極めたいので派遣期間を延長したいのですが可能ですか?

労務管理Q&A

2023.10.30

紹介予定派遣で受け入れている派遣労働者がいます。 適性を見極めたいので派遣期間を延長したいのですが可能ですか?

ご質問内容

紹介予定派遣で派遣労働者を受け入れています。
当初は3か月の派遣期間を予定していましたが、適性を見極めたいので、もう少し派遣期間を延ばしたいと考えていますが、可能でしょうか。

専門家からの回答

紹介予定派遣制度は、派遣先が派遣労働者を直接雇用することを予定して、派遣労働者を受け入れる制度です。この場合の労働者派遣期間は6か月が限度です。
したがって、派遣労働者の同意を得て6か月を限度に延長することができます。派遣期間は、いわば「試用期間」なので、あらかじめ具体的な採否基準を決めてから受け入れることをオススメします。

紹介予定派遣制度とは

紹介予定派遣制度は、「労働者派遣」と「職業紹介」の双方を行う制度です。
具体的には、最長6か月の労働者派遣期間を経て、職業紹介により派遣先が派遣労働者を雇用するか否かを決定する制度です。

紹介予定派遣制度

紹介予定派遣は、「労働者派遣事業」と「職業紹介事業」の双方の許可を有する派遣元事業所(兼職業紹介事業所)のみが行うことができます。「新しく労働者を雇用したい」「でも、履歴書と短い面接だけでは、能力や適性が把握できない」という場合に、「試用期間」を設けることがあります。
この試用期間を、派遣労働者として受け入れ、その期間に「わが社の労働者として雇用するにふさわしいか」を考えることになります。一方、労働者側も「自分の希望にマッチした就職先か」を、実際に働きながら考えることができます。

あらかじめ採否基準を決めておくことがキモ

ところで、どのような労働者を採用したいかを明確に決めないまま労働者派遣がスタートすると、職業紹介のタイミングで採否決定の決め手となる情報が充分収集できておらず、あわてて「あともう少し派遣期間を延長したい」ということになります。
派遣労働者が同意すれば最長6か月まで派遣期間は延長できますが、その延長期間に「どんな業務にトライしてもらいたいか」「どのような水準で業務が遂行できたら採用したいか」「定年までのキャリアプランが、わが社の人事方針と一致しているか」などを確認できなければ、結局「なんとなくいい人だと思う」
「特に悪い点はないと思う」といったフィーリング採用”となってしまいがちです。
紹介予定派遣であれ、一般的な中途採用における試用期間であれ、経営企画部門と人事部門とが連携して「今後のわが社の事業計画」と「それに必要な労働者像」を確立していなければ、後にミスマッチが判明することもあります。

採用基準

派遣労働者を特定する行為の例外

一般の労働者派遣事業では、派遣先が「派遣労働者を特定する行為」を禁じています。職業安定法で禁止されている「労働者供給事業」と区別するためです。しかし、紹介予定派遣制度では、最終的に派遣先が派遣労働者を直接雇用することを予定しているため、労働者派遣開始前に、派遣先が「派遣労働者を特定する行為」を行うことが例外的に認められています。
事前面接の段階で、派遣先が派遣労働者となろうとする者を見定めるチャンスがあります。
派遣労働者となろうとする者もまた、「この会社の将来性」「この会社の事業計画」「この会社の人事戦略」などについて見定めたいと思っているので、面接時に派遣先がしっかり「求める能力」「採否基準」などを説明できないと、派遣労働者となろうとする者が労働者派遣開始前に辞退することもあります。
これを機に、わが社の長期経営ビジョンと、その達成に必要な労働者の採用・育成計画について、社内各部門を横断して検討してみてはいかがでしょうか。


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